消費者金融でお金を借りるきっかけは人それぞれです。ショッピング中に素敵な服を見つけたのに手持ちがなかったとか、給料日前で懐が寂しいところに飲み会のお誘いがあったとか、ギャンブル資金が足りないからという理由もあるでしょう。インターネット融資やキャッシングの手軽さもあって、お財布感覚で消費者金融を利用する人も増えています。

審査で落ちることを気にして、申し込みを躊躇する人もいるかもしれません。ですが、消費者金融の審査は実際のところそれほど厳しいものでもなく、最低限の条件を満たしていれば拍子抜けするほどあっさりと通過することも少なくないのです。会社に勤めて毎月安定した収入を得ており、他社での借入履歴に問題がなければ、ほとんどの場合、審査で落ちることを考えなくてもいいくらいです。そして、それくらい気軽に契約できてしまうところが、消費者金融の恐ろしさでもあります。

すっかり庶民の身近な存在となった消費者金融ですが、お金を借りるという行為に対しては、やはりネガティブなイメージがついてまわります。借金のある状態に羞恥心を感じ、他人に知られたくないと思うのは、共通の借り手心理です。周囲の人にダメな人間だと思われたくない、軽蔑されたり怒られたりしたくないと願う気持ちも当然あるでしょう。お金を借りること自体は、違法行為でもなければ、罪を犯しているわけでもありません。その一方で、あなたが後ろめたさを感じたとしても、何の不思議もないのです。

消費者金融を利用するとき、返済の不安とは別に、もう一つ大きな悩みが発生します。それは、借金をしていることが周りにバレないかという不安です。家族に了解を得てお金を借りているのなら、何の問題もありません。しかし、奥さんや両親に心配をかけたくない、反対されたくないという気持ちから、言い出せないまま借りてしまったらどうでしょう。あるいは、世間体を気にする人ならば、見栄やプライドから絶対に悟られたくないと考えるかもしません。

中途半端な気持ちでお金を借りると、後々、家族や友人知人へのつじつま合わせに苦労することになります。最初は上手くごまかすことができたとしても、同じ手が何度も通用するとは限りません。嘘を重ねるにも限界がありますから、小さなほころびから借金が一気にバレて、離婚や勘当といった最悪の事態を招く恐れもあります。

ただでさえ、返済のプレッシャーを感じながら過ごしているのに、その上、家族にいつバレるかとビクビクしながら毎日を送るのはつらいですよね。借りてしまったものは仕方がありませんが、周囲に借金を隠し通すことも、決してラクではないと覚悟しておきましょう。

完済まで借金の事実を隠し通すには、とにかく、お金を借りた形跡を残さないことです。消費者金融は、貸金業法という法律のもとで営業しています。貸金業法には「契約者以外の第三者に契約の事実を知らせてはならない」ときちんと明記されており、貸し手が借り手の情報を公表・漏洩することを禁止しています。そのため、審査に必要な本人確認においても、この条文にのっとった対応がなされます。

消費者金融では、本人確認の手段として、在籍確認という方法がとられます。これは、申込者が勤務先として申告した連絡先に電話をかけ、実際に本人がその会社に在籍しているかを調べるものです。その際、消費者金融であることを相手に一切知られないように、仮名や担当者の個人名を使って確認をとります。プロのオペレーターが申込者の事情に沿った役割を演じてくれますので、この電話から申し込みがバレる可能性はかなり低いといえそうです。

在籍確認も済み、晴れて審査に合格して無事にお金を借りることができても、安心するにはまだ早いでしょう。ATMでキャッシングを行うには、専用のカードが必要です。こうしたカードであるとか、利用規約や契約書類の類いは、申し込み後、後日郵送で自宅に届くことになります。同居家族がいる場合、郵便物をチェックされでもしたら大変です。毎日欠かさず、家族より先にポストを確認するなんて、現実的に不可能ですよね。けれども、これも心配には及びません。

消費者金融の側も、こうした借り手の立場や心情を理解したサービスを展開しています。カードと契約書については、来店して店頭窓口や無人契約機で受け取れば問題が解決します。そうでなくても、消費者金融からの郵便物の差出人名は、一見してそれと分かることのないよう、社名の部分をイニシャルにするなどの配慮を施してあるので安心です。特に、キャッシングサービスを行っている大手消費者金融では、申し込み時に郵送について相談しておけば、大方の店舗でしっかり対応してくれます。

郵送された郵便物を見た家族は、見慣れない会社名に不審を抱くかもしれません。しかしほとんどの場合、そのとき気に留めたとしても深く考えることなく、そのまま忘れてしまうでしょう。開封されでもしない限り、あなたが消費者金融と契約したことがバレることはほぼありません。サービス内容の内訳を通知する利用明細書については、事前に相談しておけば送られてくることはありません。

ノンバンクの消費者金融に、こうした細やかなサービスがある一方で、銀行のカードローンには少し注意が必要です。金融子会社をグループ内に抱える大手銀行では、消費者金融と同程度のプライバシー対策をとっているケースが多いようです。

ただ、そうでない銀行となると、郵便物の受け取りにまで神経を使うかどうかは五分五分です。これは、一般的に銀行への信頼性が高いことに関係しています。多くの人は、銀行との取引に悪い印象をもっておらず、たとえ郵便物が送られてきたとしても、そのせいで利用者にマイナスのイメージを抱くことがないからです。

そうは言っても、家族に借金を知られないためには、念には念を入れておく必要があります。リスクを最小限にとどめるためには、明細書の郵送が無いに越したことはありません。消費者金融によっては、郵送物が一切ないカードローンも存在します。いつ郵便物が送られてくるかとドキドキしながら暮らすより、その芽を摘んでしまった方が早いですよね。

より確実性を求めるなら、オンラインで全てのやり取りが完了する貸金業者を選びましょう。一定の条件を満たしている利用者を対象に、郵便物のやり取りはおろか、在籍確認や自宅・携帯電話への連絡も一切ない業者があるのです。ただし、その条件を満たすには、それなりの労力を払わなければなりません。

業者の指定する口座を持っていること、源泉徴収票・給与明細・確定申告書・社会保険証などの写しを用意することが主な条件になります。利用者にとっては嬉しいサービスも、貸す側にとってはリスクの高い方法ですから、これくらいの準備が必要でも仕方がありませんね。

しかし、いくら消費者金融が法を順守してプライバシーに考慮しても、あなたが書類や金銭をずさんに扱っていれば、いずれ家族にバレることになります。普段と変わらない行動をとっているつもりでも、秘密や隠し事があると、どうしても疑わしい行動を取ってしまいがちです。

急に現金を手に入れると、それが借金にもかかわらず、お金に余裕があると錯覚してしまうことがあります。やけに羽振りが良くなったり、いつもなら我慢する商品をすんなり買ってしまったりすることがありますから、気を付けなければなりません。

最初は慎重に扱っていたはずなのに、日が経つにつれ書類やカードの保管が面倒になり、自分の部屋やベッドの上に放置してはいませんか。バレてしまっても大丈夫、と思うのは本人の自由ですが、後で後悔するのは他でもない自分です。

ほんのわずかな気の緩みで、家族の信頼を失い、一生修復できないほど関係が冷え切ってしまうことだってあるのです。本当に借金を隠し通す気があるのなら、あなた自身が注意深くならなければ意味がありません。完済して何の負い目もなく家族と向き合える日がくるまで、分をわきまえて慎重に行動しましょう。