カードローンの貸付条件でみられるのが安定した収入です。この条件が指し示す安定は必ずしも定期的とは捉えられていない面があります。継続的に収入を得ていれば審査も通りやすいのですが、就業していれば安定とみなされることがあります。

そんな中で審査にとおりやすいカードローンの特徴としてパート・アルバイトの方も利用可能というのがあります。長期に雇用されている面からみれば安定とみることができますが、職種全般からみると非正規雇用であり、必ずしも安定しているとは言い切れません。それでも利用可能というのは月々得ている収入の他にも、居住形態や年数、勤続年数など複合的な要因から利用可能としています。
（⇒カードローンを利用できる職業とは？）

特に家族と一緒に暮らしている場合は審査に有利に働く面があります。クレジットカードの審査で実家で暮らしている場合が有利に働くのと同じようにカードローンの審査も万一の返済不能に陥った面から捉えると、実家暮らしを優先する向きがあります。

カードローンの審査が有利になる条件に離職率の低い職種があります。ここで言う離職率は自発的なものではなく、雇用の継続性です。会社員や公務員は離職率は低く、会社員も大手になるほど審査は有利に働くことがあります、基本的に会社勤めは安定しているとみなされます。

職種の違いで差別することはありませんが、カードローンの世界では区別しています。そのキーワードとなるのも安定性からくる返済能力です。収入があっても、継続的に返済できるのか、長期の利用になることも多く、返済し続ける能力の元となる収入源の安定度が重視されます。

審査に通りにくさを挙げると、日雇いが多い職種は端的な例です。芸能人やアスリートも一時的に高収入を得ていることから審査に有利に働く面もあるのですが、景気や実力次第で大きく左右することもあるため、与信は低めです。

審査にとおりやすいカードローンを業態別でみると消費者金融はその一つに挙げられます。貸付条件の基本は安定した収入です。パート・アルバイトでも利用できるとは表示されていませんが、Q&Aでは利用できるとしています。このことからもパート・アルバイトの利用は審査の結果次第、それも安定度で利用できることが分かります。

また、初めての方ほど通りやすい側面が消費者金融にあります。無利息キャッシングが初めて利用される方に絞っていることからも利用件数のない顧客を優先したい面があります。初めての利用で、かつ無利息の特典を付けることで顧客を囲い込む戦略がサービスに表われています。

その一方で審査に通りにくいと言われる銀行カードローンですが、すべての会社が厳しい訳ではありません。厳しさの元となる審査の基準が会社毎で異なるからです。ある銀行では年収200万円以上であれば可能とし、別の会社では勤続年数の条件を1年以上とするなど安定度の根拠となる情報の見方が各社で違います。

その他、審査にとおりやすいカードローンの傾向にあるのが、顧客競争です。知名度のある会社、とりわけCMやネットのバナー広告で見かける会社は新規の顧客獲得に熱心です。決して審査が甘い訳ではありませんが、借り入れできる対象者を広げて、生じる借り入れリスクを金利に上乗せして、優良顧客として育てたい向きがそこに働いています。大手の会社にみられる傾向ですが、カード会員に付帯されるサービスの提供は端的な一例です。

業態別でみると貸出実績では大手に及びませんが、インターネット銀行に注目が集まっています。理由は低金利である一方で、利用対象が幅広い点です。ネットバンクの利点は店舗を持たないことで、手数料や金利を低く設定できます。営業経費分をサービスの展開に回せることでカードローンも低金利で提供しています。

口座を開設することを条件に本人確認書類の提出も不要としています。利用者情報を元に確認できるために不要としていますが、口座開設の利用者の増加を促し、かつローンサービスで利用の窓口を広げる意味合いもあります。つまり、口座の開設をきっかけに給与の振込みをはじめ、ローンサービスも使ってもらうことで深い関係の構築を図っています。そうした背景も手続きの簡単さと審査に通りやすい一面につながっています。

インターネット銀行は市場での歴史も浅いため、顧客獲得には特に力を入れています。とりわけネットユーザー、それも若年層の社会人に特化してキャンペーンを打つことがあります。会社勤めを始める新社会人の口座開設を促進する面からカードローンの利用を一つの窓口として展開しています。

この社会人のカードローン利用に関連して春先から市場が活発化することがあります。3月の決算を終えて、次の新年度にむけて金融会社のスタンスが決まるのもこの時期です。

利用する側からみても、春先は異動時期、引越しシーズン、入学や入社などに伴う移動でお金が必要になる時期です。個人の資金需要が活発になる春先に向けては特にカードローンの利用が増える傾向もあります。そこに金融会社の顧客獲得競争が重なり、審査の通りやすさにも少なからず影響を与えています。

銀行にとってみれば、給与振込みに口座を開設してもらうことは長いお付き合いとなります。カードローンの利用も一つの契機に顧客とのパイプを強くよる絶好の機会が新学期・入社シーズンなどの春先です。

審査にとおりやすい裏側には必ず理由があります。その理由が消費者金融や信販会社・銀行のカードローンで違いがあり、個々の会社の経営体力や企業規模、貸出実績によって変わってきます。大手ほど借りやすい図式は当てはまらないことも多いのです。実際、カードローンに関連する口コミが多いのは通りやすさに千差万別、利用者個々によって対応が違っている一つの表れです。

ネットで利用できるようになった点もカードローンの通りやすさにつながっています。店舗を持つことなく、ホームページから顧客を効率よく取り込むことができます。店舗運営の中心の形態では企業規模の優劣で顧客獲得に大きな差が開きますが、インターネットであれば規模に関わりなく、いかに誘導できるか戦略次第の勝負となるためです。

審査に通りやすさを客観的な数字でみると、顧客数よりも貸出実績の多さで審査の傾向をみることができます。顧客数に比例する面もありますが、端的に貸し付けている金額の多さから審査の難易度がみえてきます。

収入の安定度以外にも様々な要因が絡むのがカードローンの審査です。会社の数の分だけ、審査の書類もあると言って良いでしょう。審査にとおりやすいカードローンの傾向は見えても、実際は見えないのも現実です。

それを踏まえてまとめると、カードローンは金融会社の顧客戦略もあり、拡大時期があること、また審査に通りやすさは業態別に分かれる点です。同じ属性で申し込んでも、違う可否と与信額が出てくることです。

特にカードローンの商品特徴を端的に表現するものは金利です。金利の大小は審査のハードルの高低と関連しています。次に貸付条件を具体的に数字で示しているところも審査の傾向をみる参考情報です。数字こそ商品のセールスポイントであるのがカードローンです。

審査にとおりやすいカードローンの利用で気をつけたいのはリスクが高くなることです。それも金利が関連していますが、審査に通る分だけ利息というリスク負担も大きくなります。金融会社以外の店舗でみると、利用料金が安いお店ほど付帯条件が多いものです。カードローンも同じで、金利を低くする分、返済能力という条件が付くものです。

カードローンの利用もコストパフォーマンスでみることも大切です。コストとは金利であり、いかに低く借り入れることができるのかがキーポイントになります。ネットの登場で情報の収集と選択が容易になったことで、金利というコストも比較しやすくなっています。先のカードローンの需要期やキャンペーン情報など、情報が豊富な分だけ利用者の選択眼も問われる時代になっています。