カードローンというと少額の借入をするためのものだというイメージを持つ人が多いようです。少額で短期間の借入をするために作られたサービスですから、そのようなイメージを持つのも仕方のないことでしょう。しかし、必ずしもそうではなくて、大きな資金を借りることができる場合もあります。たとえば限度額500万のものもあります。

限度額500万であれば、いろいろなシーンに対応できるでしょう。ただ、大きな資金を借りることができないものもありますから、できるものとできないものとの違いを把握しておくことは必要です。多くの人にとって、大きな資金を借りたいのなら銀行のカードローンを利用するのが良いと言われます。これも正確には正しくありません。信用金庫ならどうなるのかということが分からないなら、法律による制限を博しておきましょう。

日本には様々な金融機関があります。銀行だけではなくて証券会社や保険会社などもあり、そしてその一つとしてノンバンクがあります。銀行にはお金を預けている人が多いですし、証券会社や保険会社に何らかの資産を預けている人は多いです。このようにして資産を預ける金融機関をバンクと呼ぶのが一般的です。

これに対してノンバンクとは、バンクではない金融機関という意味で、資産を預けることはありません。融資は行ってくれますから、日本語では貸金業者と呼ばれることが多いです。お金を貸すことに特化した金融機関という意味でもありますし、法律上の言葉でもあります。

貸金業者として営業をするためには、貸金業法を守らなければなりません。この貸金業法には様々なことが規定されています。お金を貸したり借りたりするシーンではトラブルが起こることが多いですから、様々な規制をつくってトラブルを防いでいると考えられます。このような規制があることによって使いにくくなる面もありますから、良いことばかりではないと考えられます。

この規制の一つとして総量規制があります。カードローンを利用しようと考えたことのある人なら、総量規制について、一度は耳にしたことがあるでしょう。この総量規制があるために、大きな資金を調達するのは難しいと考えられています。

総量規制の具体的な内容は、融資の金額を年収の3分の1に制限するというものです。ですから、ある人の年収が600万円あったとしましょう。この人に対して融資を行うときには、最大でも200万円に制限されます。借りる側から見れば、年収の3分の1までしか借りることができないのです。

この制限は総量に対する規制ですから、いくつかから借入をしていた場合、その合計金額が年収の3分の1以内に納まらなければなりません。これは限度額に対しての規制だと考えるのが妥当です。たとえば、年収600万円の人が、すでに100万円の限度額を確保していたとします。この場合、別のところに申し込みをしても、最大で100万円の限度額しか確保できません。

年収の3分の1に制限されるのですから、借りたい金額の3倍の年収がなければならないことになります。つまり、限度額500万を確保したいのなら、年収は1,500万円必要になります。単純に考えればこのようになりますから、年収が1,500万円ある人なら問題はないでしょう。しかし、多くの人はそうではないでしょう。

この総量規制は貸金業法の中で定められている規制だという点に注意しなければなりません。つまり、ノン縛に対する規制なのです。ですから、ノンバンク以外の金融機関には適用されません。ノンバンク以外でお金を借りることのできるものの代表が銀行ですから、銀行で借りた方が良いと言われることが多いのです。しかし、正確に言えばノンバンクでなければ総量規制はかからないのですから、銀行ではなくてほかの金融機関でも問題はありません。

ただ、銀行の方が身近ですから、銀行から借りる人が多いわけです。メインバンクとして信用金庫を使っている人がいるのなら、信用金庫を利用するのも良い方法だと考えられます。

では、銀行からなら借りやすいのかというと、実はそうでもありません。年収が1,500万円未満の人が500万円の限度額を確保するためには、消費者金融などのノンバンクではダメだと言うだけのことで、銀行からなら借りられるというものでもないのです。というのも、銀行はどちらかというと審査が厳しい傾向があるからです。

審査に通らなければ借りることはできません。また、審査によって借入限度額が決まりますから、十分の金額を借りることができない場合もあります。たとえば年収が低い場合には、必要なだけのお金を借りられないこともあります。審査に通ることは最低条件だと考えておかなければならないのです。

500万円の限度額を確保したいという人の場合、まずそれが可能かどうかを確認しておく必要があります。法律上は総量規制がかかりませんから、いくらでも貸し付けることはできますが、商品としてはやはり上限が定められています。融資金額の上限はそれぞれの銀行が定めていますから、それがどれくらいなのかを把握しておくことも必要です。

たとえば、商品としての融資限度額の上限が50万円となっていた場合、どれだけ交渉してみても500万円を借りることはできないでしょう。最初から融資限度額の上限が高く設定されているものを選んだ方が良いです。

銀行と言ってもいろいろなものがありますが、メガバンクと呼ばれるものは融資限度額の上限が大きい傾向があります。メガバンクとは、日本を代表する銀行で、全国規模で展開をしているものをさします。大きな資金を借りたいときには、このようなメガバンクを利用するのがよいと考えられます。

地方銀行も利用できますが、地方銀行の中には融資限度額の上限があまり高くないものもあります。ですから、500万円を借りるのには適していないこともあるのです。最大でどれくらいまでなら借りることができるのかを確認した上で申し込みをすることが必要です。

最近登場したネット銀行も同じようにカードローンのサービスを提供しています。ネット銀行というとまだ新しいタイプの銀行ですから、サービスはあまりよくないと考える人もいるようです。しかし、融資に関してはメガバンクと同じようなサービスを提供するようになっています。たとえば、融資限度額の上限が1,000万円のネット銀行もあります。1,000万円もあればかなり融資の金額は大きく、いろいろな用途に用いることができます。

総量規制がありますからノンバンクからは十分な資金を借りることができないと考えるのは間違いではありませんが、総量規制が適用されないものもいくつかあることは知っておきましょう。その一つが担保を設定するローンです。総量規制は個人向けの無担保融資に対する規制です。ですから、担保を設定した場合には、総量規制の対象外となります。

たとえば、土地を持っているばあいには、その土地を担保にしてローンを組めば総量規制の対象外となります。土地や建物など、何でも良いのですが、これらを担保に設定できるのなら多くの資金を調達できるでしょう。ただ、実際の融資額は担保価値に応じたものとなりますから、資産としての価値の低いものを担保にしても借りられる金額はあまり大きくはなりません。

総量規制は事業資金として借りるばあいには適用されないという点にも注意が必要です。ですから、会社として借りるときには総量規制は適用されないのです。会社経営をしている人なら、これを利用するのも良い方法です。また、個人事業主として営業している人も対象外となります。

カードローンは少額の融資を受けるためのサービスですから、限度額500万円という大きな借入をするためには、いろいろな知識が必要になります。いろいろと知った上で金融業者のサービスを選ぶ必要があるでしょう。