私は26歳のIT関連企業に勤める会社員ですが、交際にかかるお金が多くなりカードローンのキャッシングを利用しようかと考えています。しかし、ローンカードでのキャッシングでは免許書の偽造による成りすまし詐欺が発生していて大きな被害も出ていると聞きました。
免許書の偽造による被害の危険性は本当にあるのでしょうか。また、被害にあわないためには何に気をつけていたらよいでしょうか。
成りすまし対策として無人契約機での本人確認も十分に行われます
必要以上に心配することはありません。消費者金融業界では無人機でのカメラを通した本人確認を厳格化させその違法行為の防止に取り組んでおり、警察においても免許書をIC化するなどの対策が打たれ詐欺行為に対する防止の動きも進んでいます。
現在の消費者金融業界では、カードローンの契約が無人契約機でも簡単に行えるシステムが作られており、利用申込者が手軽に申請できるようになりました。利用者としては、無人契約機を使えば時間や他人を殆ど気にすることなく利用できるので、無人機での契約申し込みは大変便利なものとなっています。
しかし、その無人であることを悪用した成りすまし詐欺が時々発生して、利用者を不安にさせています。申込時の本人確認書として、運転免許書や健康保険書などの提示が求められますが、その運転免許書を偽造して他人に成りすまし現金をだまし取ろうとする詐欺行為が起こっているのです。
そのような詐欺行為に対して消費者金融業界も手を拱いているだけではありません。無人契約機での本人確認をより適切な方法で行い不正な行為を見過ごさないよう取り組んでいます。申し込みの際の審査では、提示された住所を地図で確認する、勤務先に電話をかけ本人確認を行う、本人確認書類を確認する、といったことで本人確認が行われますので、単純な偽造は直ぐに発見されるようになっています。
また、カメラを通じて申込者の表情もしっかり把握することができるので、不審な挙動を認識することも難しくはないのです。さらに無人機の決まった場所に運転免許書を置いてもらうとカメラではっきりと内容を確認できるので安易な偽造などでは通用しないようになっているのです。
運転免許書自体も平成19年よりICカード化されており、更新等を通じてすべての免許書のIC化も近づいています。その免許書にはICチップが内蔵されて、それに本籍、氏名、生年月日、顔写真等の個人情報が記録されており、それらを機械で読み取るためには暗証番号が必要となっています。特に本籍地は免許書の表示情報から削除されているため、ICチップから読み込むことができなければ把握することができないのです。
このように免許書を安易に偽造しても悪用することが困難になっていますが、余計なリスクを負うことのないように紛失や盗難をさけるための適切な管理が必要です。また、今後においては暗証番号を他人に知られないようにしっかり取り扱うことがより重要となってくるでしょう。
本人確認の偽造免許がばれたときはどうなる?
キャッシングの申し込みをするときに、本人確認書類は必ず必要になります。具体的には、運転免許証や写真付きの住基カード、パスポートなどがこれに該当しますが、店頭ならば原本を提出して写しを取ってもらう手続きになり、インターネットや電話など、自宅などでの申し込みの場合には、後日写しを送付する形になります。そのため、原本を出さないのであれば偽造しても簡単にはばれないのではないかと考える人もいます。
実際、キャッシングというのは比較的審査に通りやすいということで多くの人が利用しているという現状がありますが、だからといって必ずしも審査が甘いというわけではありません。ある程度審査項目が決められていますので機械的に手続きを勧めてスピーディな融資も可能となっていますが、不自然な金額の借り入れや短期間に複数の業者から借り入れをしているひと、送付された書類に不自然な点がみられる人などの場合には、その免許証が本物かどうかを業者独自に調査します。この調査は非合法なものではありませんので、すぐに調べをつけることができますので、メリットが少ない割にリスクはかなり大きくなります。
仮に免許の偽造がばれた場合には、高額の時には詐欺で立件されますし、借り入れた金額だけでなく損害賠償金も請求されます。少額の場合にはブラックリストに掲載されて違約金や損がお金を支払うだけで済む場合もありますが、当然悪質な利用者という扱いになり、他業者での借り入れはほぼ不可能になります。金額に関係なく刑事事件として立件されることもありますので、将来の就職や転職では履歴書に詳細を書かなければならなくなります。話し合いで解決したとしても、当初の借入金額以上の支払いをして、しかも何年もの間ブラックリストに載るというのではまったく行う意味がありません。本人確認書類だけで審査結果が変わるようなこともありませんので、きちんと正直に提出するようにしましょう。