金融機関から融資を受けるということは、それだけ金融機関側からの信用を得なくてはなりません。たとえば友人にお金を貸す時にでも、その人がきちんと返してくれる方でなければ貸しませんよね、それと同じで、見ず知らずのお客さんに融資を行う金融機関は、なおさら審査の必要があるのです。

確かに金融機関はお金を貸さなければ利息と言う収入を得ることが出来ません。つまり、多くのお金を貸せばそれだけ大きな利益を上げることが出来るというわけなのですが、そもそもの大前提というものがあります。それは何かというと、貸したお金がきちんと利息を含めて全額返済されることです。

当然借りる時から返済する気もなく借りる方は一部の悪人を除いてまずいないわけなのですが、それでも全ての人に希望通りの金額を融資して、そのすべての方にそれだけの返済能力が備わっているというわけではないのです。ですから、仮に利息までもいかずにそもそも元本自体も戻ってこなければ、金融機関は大赤字というわけなのです。

ですから、その申込人にきちんと返済能力が備わっているかどうかということを判断するのが審査です。この審査を行うことによって、金融機関としてはこの人になら貸しても大丈夫という信用を持つことができる人だけ審査を通します。
（⇒カードローンの審査基準とは）

逆に、以前返済においてトラブルがあった人、たとえば何か月も返済せず、滞ったままになっていたことがあるなどの方の場合には、貸してもきちんとその元本が返ってこないのではないかという恐れがある場合には、審査を通さずに否決とするわけです。金融機関は貸したいと考える反面その後のリスクを考えるとなかなか貸せない方もいるという難しい判断をそこで行っているわけなのです。

ちなみにそれは住宅ローンやマイカーローンなどの、一部の高額のローンだけではありません。少額の融資、たとえばカードローンなどに関してもその審査は重要です。逆に、少額の融資を受けようとする方であればあるほど、生活費に困ってしまっているかたが多いということなので、その分返済能力も低く、返済が滞るリスクも大きくなってしまうでしょう。

また、今まで返済実績がない方においてはなおさらその信用の情報がないため、審査が難しくなります。すると、初めてなカードローンの利用限度額はいくら?という疑問がわいてくるのではないでしょうか。例を挙げつつその仕組みを確認します。

たとえば、カードローンを初めて申し込む人の例を考えてみましょう。20歳で安定収入を持っている方が初めてカードローンを申し込んだというケースを考えてみると、この方の場合は過去にお金を借りたことがないということですので、返済が滞った履歴はありません。しかし、返済してきたという実績もありません。ですから、金融機関は結局信用にまでは至らないということになります。

ですから、まず少額の利用のみ審査を通して、実際に返済ができるのかどうかを見ることになります。つまり、審査に通らないということはないのですが、実績がないので利用限度額は少額ということになるのです。そして、実際にカードローンを利用していく中で、きちんとその返済ができているのであれば、徐々にその信用度が高まっていくということになります。そして、その信用が高まると、増額の申請も通るようになるのです。

初めは少額の限度額とする理由は、別のところにもあります。例えばだれかのふりをしてカードローンの申し込みをし、そしてそのカードの利用限度額いっぱいまで借りてからどこかに逃亡する、という話もない話ではありません。ですから、もちろん本人確認を徹底することももちろんなのですが、それ以外の面からもリスクを最小限にするために、このような少額からの限度額ということになっているのです。

ちなみに、このカードローンの利用限度額の増額に関しては、金融機関側から案内がある場合と、利用者側から申し込みを行って増額審査を受ける方法です。最近の主流は利用者からの申し込みによって増額する方法で、金融機関側も信用のある方に関しては積極的に増額してくれるようです。

なお、その申し込みを促すこともあります。たとえば、ATMなどを利用した際にカードローンの増額の案内が画面に出ることがあります。この画面が出た場合は、十分信用を得ている方ですので、増額の申請を行っても通過する可能性は高いといえるでしょう。また、ATMからその増額の申請が可能な場合もありますので、それは金融機関の制度を確認してみると問でしょう。

ではその信用力というものはどのように培われていくものなのでしょうか。もちろん一朝一夕でいきなり信用を得ることができるわけではありません。きちんと借りた金額を毎月必ず返済し、半年、1年といった長期間にわたってそれを続けていかなければならないのです。どれくらいの期間が必要かについては、利用限度額の金額や、金融機関によっても変わりますので一概には言えません。

しかし、2、3か月程度では信用は生まれないと思っていただいてよいでしょう。また、その期間中に延滞などが発生すると、一気にその信用は地に落ちてしまいますので、十分返済時には気を付けなければなりません。

なお、もしATMを利用中に増額の案内が出たとしたのであれば、できれば申し込みをしておくとよいかもしれません。それは、カードローン自体の仕組みにあります。カードローンは、その限度額によって金利がきまります。

そして、限度額が大きければ大きいほど、金利が下がることが一般的ですので、仮に同じ金額の融資を受けた場合でも、総返済額でかなりの差がでるわけなのです。ですから、増額の案内が来た場合には、申し込みを行っておくとメリットが多いのではないでしょうか。もちろん借りすぎには十分注意するひつようはあります。

みなさんがもしカードローンの申し込みを行い、そしてその審査に通過して無事カードが発行されると、そのカードには利用限度額が設定されています。そして、その利用限度額の範囲内であれば何度でも借り入れ、返済ができるのです。そのため、大きな利用限度額になるとそのぶん金利も下がります。

これは、利息制限法にも定められているのですが、10万円までの融資には20パーセント、10万円から100万円の間には18パーセント、100万円を超える融資には15パーセント以下の利息を設定しなければならないのです。そのため、大きな枠を持っていれば持っているほど、金利がさがるのです。

しかし、先ほどの述べたように作ったばかりの時には、その利用限度額は大きくありません。ですから、初めはその少額の枠の中で、きちんと返済を行っていき、ゆくゆくは信用を得て増額するという長丁場の考え方が必要になるでしょう。

カードローンに限らず、融資は借りたら最後まできちんと返済しなければなりません。そして、その返済というものは、時には数年、数十年にも及ぶ非常に長い期間をかけておこなうものになります。ですから、その間に何か生活環境の変化があるということもあるでしょう。

しかしそれでも返済を滞らせてはいけないのです。それは、もうすでに借りてしまったからです。契約にきちんと毎月返済する旨が定められており、そして融資を実際に受けた以上は返済を行わなければ契約違反となってしまいます。

また、信用を得て借りたものですから、金融機関からの信用を裏切ることにもなるのです。ですから、返済だけは必ず行い、金融機関からの信用を裏切らないように気を付けましょう。

それだけをきちんと気を付けていれば、金融機関からの融資というものは便利に利用できるものであり、私たちの生活を助けてくれる大きな支えとなるものなのです。カードローンや各種のローンをうまく活かして、生活をより便利で豊かに送ることができるようになるとよいのではないでしょうか。