銀行系のカードローンの事を友達に相談したら、銀行のカードローンも実態は消費者金融が行なってるって言うのね。そんなのありえないって言い返したら、間違いないって言い切るのよ。友達が言うには、カードローンは銀行系も消費者金融も結局は一緒だから、どこでも同じだって!
私は、消費者金融会社のカードローンはちょっと怖いから銀行系だと安心出来るんで、銀行系のカードローンに申込もうと考えていたんだけど、友達の言うことが本当なら、どこに申込むのがいいのかわからなくなってしまって・・本当はどうなっているのか教えてもらえませんか?
銀行系カードローンはあくまでも銀行が融資するカードローン
銀行系カードローンの正体が消費者金融会社だって、面白い事をお友達は言うのね。全く違っては無いけれど、銀行系カードローンはあくまでも銀行が融資するカードローンでちゃんとした銀行の金融商品の一つよ。多分、あなたのお友達は、銀行カードローンの保証会社が消費者金融会社になっているから、「正体は消費者金融会社だ!」って言い切ったのね。
銀行が個人向け融資のカードローンという商品を作った背景には、総量規制と言う貸金業法(法律)による規制が始まってからなの。総量規制は年収の1/3を超える貸付はしてはいけないって内容の法律で消費者金融会社が対象なのね。
この規制のおかげで消費者金融会社は大きなダメージを受けることになったのね。本当のダメージ同時に行なわれた利息制限法に基づく差額金利の返還だけど・・それまでグレーゾーン金利と呼ばれていた高金利で貸付する事が出来なくなった事と「過払い金請求」ね!CMでもやっているでしょ。
当時の高金利で貸付していた融資に対して、借主が請求すれば法定金利以上の差額を返金しないといけないのね。実際、それまで消費者金融大手No1の武富士は倒産に追い込まれる状況になったし、全ての消費者金融会社は今までのような商売が出来なくなったのよ。
結果、消費者金融会社単独では経営が難しくなったので、メガバンクと提携して銀行のグループ会社として再出発してるのよ。銀行カードローンの保証会社は、三井住友銀行はプロミスね。他の銀行もオリックスクレジットやオリエントコーポレーションの信販系の会社が保証会社になってるわね。
(⇒三井住友銀行のカードローン情報)
ここで、保証会社について説明しておくわね。例えばあなたが三井住友銀行カードローンで100万借り入れして、50万までは返済したけど生活状況が変わって返済できなくなったら、代位弁済(あなたに代わって返済をする事)をプロミスがするのね。つまりあなたが返せなくなったお金をプロミスが引き受けて三井住友銀行に返済するって事になるの。
じゃあ、それでお金を返さなくてもいいって事にはならないわよ。あなたが借りたのは三井住友銀行だけど、代位弁済した時点で請求権はプロミスになるから、あなたへの返済を担当するのがプロミスになるだけで借金がなくなる訳ではないからね。
そんなことで、銀行カードローンの保証会社はほとんど消費者金融会社になってるから、「正体は消費者金融だ!」って事になったのだと思うわ。でも融資しているのは銀行のお金から融資してる訳だし、返済不能にならなければ取引は銀行と行なうので、消費者金融会社とは実際には関係ないの。だから消費者金融会社と契約するのではないから安心していいわよ!
銀行系カードローンは消費者金融のサービスとほぼ同じ
カードローンのサービスを提供し始めたのは消費者金融だと言っても言い過ぎではありません。消費者金融という言葉は当時は使われていなくて、「サラ金」と呼ばれることが多かったようです。
サラ金というと、あまり良いイメージを持たない人も多いでしょう。ほかにも街金と呼ばれることもあり、全体的な名前のイメージはあまり良いものではありませんでした。そのイメージを払拭するために消費者金融という言葉が使われるようになったり、あるいはカードローンやキャッシングといった言葉が使われるようになったのです。
サラ金と呼ばれていた時代にカードの技術が進歩しました。銀行がキャッシュカードを導入し始めたのはこの頃で、同じような時期にサラ金業者がカードを導入してカードローンのサービスを提供するようになりました。
最近では銀行もカードローンのサービスを提供するようになってきましたが、実質的に言えば銀行系カードローンは消費者金融が行っているサービスだとも考えられます。金融に関する技術に詳しい人ならすぐに分かるでしょうが、普通の人には難しいかも知れません。少し詳しく見ていきたいと思います。
融資という事業は、やっていることは非常に簡単で、お金を貸して、返してもらうときに利息が上乗せされます。この利息が利益になります。ここだけを見れば非常に簡単なことだと言えるでしょう。借りた人のすべてがきちんと返済をするのなら、それほど簡単なことはありません。
しかし、実際にはそれほど簡単なものではなくて、返済されなくなることもあります。返済されなくなることを貸し倒れと呼びます。貸し倒れになるリスクを計算した上で、経営が成り立つような融資を行わなければなりません。
貸し倒れになるリスクがあるために、このリスクの計算を誤ると経営が成り立たなくなります。簡単な例を挙げると、融資を行った資金のすべてが貸し倒れになると、金融業者は利益を得られないどころか損失ばかりが膨らんでしまい、経営を成り立たせることはできないでしょう。おそらくですが、半数が貸し倒れになっても経営は成り立たないでしょう。1%くらいなら経営が成り立つかも知れません。このように、リスクを計算して、どれくらいの利息を要求してどれくらいの審査を行うのかというのは非常に難しいことなのです。
リスクがあるために誰にでも経営を成立させられるというものではありませんから、新規参入はかなり難しいものだと考えられます。現在では銀行がカードローン事業に参入していて、かなりシェアを広げているのですが、ここに至るまでには紆余曲折があったのです。たとえば合弁でカードローン事業を行う会社を設立されたこともあります。リスクがあるために、銀行は簡単には参入できなかったのです。
現在のところ、銀行はカードローンの事業を幅広く展開しているのですが、それは保証という仕組みによってリスクを移転できるようになったからです。銀行はカードローン事業を行うノウハウを持ちませんから、リスクを管理することができません。そのために、リスクを移転する技術が作られました。それが保証という業務です。
銀行は自己資金で貸し付けを行うのですが、もしも返済できなくなったときのために、保証会社に保証を依頼します。返済されなくなれば保証会社が代わりに返済をします。こうすることによって、銀行はリスクを負わずにカードローン事業を行うことができるのです。銀行としては、保証会社にリスクを移転した上でカードローンの利益を得ることができますから、非常に便利な仕組みだと言えるでしょう。
保証会社は、リスクに見合った手数料を要求します。これが保証料と言われるものです。この保証会社になっているのが消費者金融です。消費者金融はリスク管理のノウハウを持っていますから、保証料を受け取ることによって利益を得ることができますから、消費者金融にとってもメリットは大きいのです。
このような仕組みを使わなくても、消費者金融がシェアを伸ばしていけばよいと考える人もいるでしょう。わざわざ銀行に対して保証業務を提供しなくても、自社でシェアを伸ばしていけばよいと考えるのは自然なことです。しかし、消費者金融側から見た場合にも、銀行と提携をするメリットは非常に大きいのです。
まず、消費者金融にとって提携するデメリットはないと考えられます。もともと、銀行から借りた資金で融資を行っていました。銀行がカードローン事業を行うときには銀行の自己資金で行うわけですから、結局は同じことなのです。提携することによって、たとえば依存関係が強くなって偏りすぎるというデメリットが考えられないものではありませんが、経営や効率を考えれば、デメリットはないと考えられます。
そしてメリットの一つが銀行のブランドを使えることです。実質的には消費者金融がノウハウを提供して利益を得ているわけですが、多くの人は消費者金融よりも銀行の方を信用しています。
イメージの払拭するために消費者金融という名前を使うようになったとはいえ、やはりサラ金時代のイメージを引きずっている人もいます。消費者金融から借りるよりも銀行から借りる方が安心だという人も多くいますから、消費者金融が独自に営業するよりも、提携する方がシェアを伸ばしやすいという傾向があります。
もう一つは総量規制の影響です。総量規制とは貸金業法によって定められている規制で、そしてこの規制によって融資できる金額が年収の3分の1にまで制限されるようになりました。たとえば、年収が450万円の人に対する融資の金額は最大でも150万円となります。
規制の詳しい部分についてはいろいろとあるのですが、全体的に言えば融資できる金額が小さくなったと言うことには変わりはありません。融資できる金額が小さくなれば、もちろんですが利息収入も減りますから、それによって利益は小さくなると考えるのは当然のことだと言えるでしょう。この規制が導入されたことによって消費者金融の経営は悪化したのです。
しかし、この規制は貸金業法の中で定められている規制ですから、貸金業者に対してのみ適用されます。貸金業者ではない業者に対しては規制が適用されないのですから、銀行の場合には融資金額に制限はありません。そのために、消費者金融は独自に融資を行うよりも、銀行を通じて融資を行う方が、利益を拡大しやすいという傾向があるわけです。消費者金融にとってのメリットは非常に大きいと考えられます。
このようなことを見越していたのかどうかは分かりませんが、大手の銀行はグループとして消費者金融を子会社に抱えています。そして、この消費者金融に保証業務を行わせるのが通例となっています。かつては大手の消費者金融と呼ばれたものが銀行の傘下に入っていて、銀行のカードローンのサービスをバックアップしているのです。
銀行のグループに入ったのにはいろいろな経緯があるのですが、一言で言えば経営の悪化です。法律が改正されたことや景気が悪くなったことなどが原因で、消費者金融は経営が一気に悪化しました。大手の中にも完全に破綻したものもあります。経営の悪化を銀行が救済したという側面もあります。今になって銀行の傘下に入っている消費者金融は、完全に銀行に救済されたわけです。救済に当たって、資本を注入するという形がとられたために、完全子会社、あるいは連結子会社といった形になっているわけです。
このような経緯があって、銀行がカードローン事業を提供できるようになってきたのですが、その裏には消費者金融のノウハウがあるからだと言えるでしょう。ですから、銀行系カードローンは消費者金融が実質的にはサービスを提供していると考えられますから、銀行だから審査が厳しいというわけではないとも考えられるのです。現在では多くの人が銀行系カードローンを利用しているのですが、その理由は消費者金融が提携したことが影響しているのです。
【参考ページはこちら】
なぜ銀行のカードローンは総量規制対象外?